作品の基本情報
作品解説
「其のまま地口・猫飼好五十三疋」(そのままじぐち・みょうかいこうごじゅうさんびき)は、東海道五十三次(とうかいどうごじゅうさんつぎ)に登場する宿場を、猫に関したダジャレに置き換えた大判三枚からなる戯画です。
「地口」とはダジャレの一種であり、有名な言葉やフレーズをもじったもの(飛んで火にいる夏の虫→飛んで湯に入る夏の武士)やただ単に韻をそろえたもの(驚き桃の木)、言葉尻に同音異義語をつなげたもの(当たり前田のクラッカー)など、いくつかのパターンがあります。一方、パロディの元となっている「東海道五十三次」とは、江戸時代に整備された五街道(ごかいどう=江戸・日本橋を起点とする五つの陸上交通路)の一つで、東海道にある53の宿場を指しています。
さて、東京書籍「江戸猫」(P16-17)を元にして、それぞれの宿場がどのようにアレンジされているかまとめると、以下のようになります。なお、当作品では東海道の始点である江戸・日本橋と終点である京・三条大橋を加えた計55図が示されています。
「地口」とはダジャレの一種であり、有名な言葉やフレーズをもじったもの(飛んで火にいる夏の虫→飛んで湯に入る夏の武士)やただ単に韻をそろえたもの(驚き桃の木)、言葉尻に同音異義語をつなげたもの(当たり前田のクラッカー)など、いくつかのパターンがあります。一方、パロディの元となっている「東海道五十三次」とは、江戸時代に整備された五街道(ごかいどう=江戸・日本橋を起点とする五つの陸上交通路)の一つで、東海道にある53の宿場を指しています。
さて、東京書籍「江戸猫」(P16-17)を元にして、それぞれの宿場がどのようにアレンジされているかまとめると、以下のようになります。なお、当作品では東海道の始点である江戸・日本橋と終点である京・三条大橋を加えた計55図が示されています。
猫飼好五十三疋・上
- 1, 日本橋(にほんばし)→二本だし(かつお節二本)
- 2, 品川(しながわ)→白かを(白猫の顔)
- 3, 川崎(かわさき)→かばやき(岡持ちに入った蒲焼)
- 4, 神奈川(かながわ)→かぐかハ(竹の皮の匂いをかぐ)
- 5, 程ヶ谷(ほどがや)→のどかい(のどがかゆい)
- 6, 戸塚(とつか)→はつか(ハツカネズミを見つける)
- 7, 藤沢(ふじさわ)→ぶちさば(サバをくわえるブチ猫)
- 8, 平塚(ひらつか)→そだつか(子猫が元気に育つかな?)
- 9, 大磯(おおいそ)→おもいぞ(大ダコを引きずって重い)
- 10, 小田原(おだわら)→むだどら(ネズミを逃がして無駄足のドラ)
- 11, 箱根(はこね)→へこね(ネズミにエサを取られてへこ寝)
- 12, 三島(みしま)→三毛ま(三毛が猫又という魔物に)
- 13, 沼津(ぬまづ)→なまづ(ナマズと向き合って)
- 14, 原(はら)→どら(ドラ猫が叫ぶ)
- 15, 吉原(よしわら)→ぶちはら(腹の模様がブチ)
- 16, 蒲原(かんばら)→てんぷら(テンプラを目の前にして)
- 17, 由井(ゆい)→たい(大きなタイをくわえて)
- 18, 興津(おきつ)→おきず(眠りから起きず)
- 19, 江尻(えじり)→かじり(かつお節を丸かじり)
猫飼好五十三疋・中
- 20, 府中(ふちゅう)→むちゅう(大好きなネズミに夢中)
- 21, 鞠子(まりこ)→はりこ(張り子の猫)
- 22, 岡部(おかべ)→あかげ(赤毛の猫がまどろむ)
- 23, 藤枝(ふじえだ)→ぶちへた(ブチ猫はネズミ捕りが下手)
- 24, 嶋田(しまだ)→なまだ(この魚は焼けていない)
- 25, 金谷(かなや)→たまや(玉のように丸々太ったタマや)
- 26, 日坂(にっさか)→くったか(舌なめずりしてしたたか食ったか)
- 27, 掛川(かけがわ)→ばけがを(化け猫の顔)
- 28, 袋井(ふくろい)→ふくろい(菓子袋に猫の頭が入り)
- 29, 見附(みつけ)→ねつき(寝つきがよい猫)
- 30, 浜松(はままつ)→はなあつ(鼻熱っ!ヤケドしちゃった)
- 31, 舞阪(まいさか)→だいたか(子猫をしっかり抱いたか?)
- 32, 荒井(あらい)→あらい(猫の顔洗い)
- 33, 白須賀(しらすか)→じゃらすか(さあ子猫でもじゃらすか)
- 34, 二川(ふたがわ)→あてがふ(母猫が子猫にあてがう)
- 35, 吉田(よしだ)→おきた(起きたぞ!)
- 36, 御油(ごゆ)→こい(猫の恋)
- 37, 赤坂(あかさか)→あたまか(何だめざしの頭か…)
- 38, 藤川(ふじかわ)→ぶちかご(かごに入ったブチ猫)
- 39, 岡崎(おかざき)→おがさけ(尾が二つに裂け、猫又になる)
猫飼好五十三疋・下
- 40, 池鯉鮒(ちりゅう)→きりゃう(器量よしの猫)
- 41, 鳴海(なるみ)→かるミ(軽い身のこなし)
- 42, 宮(みや)→おや(親猫に寄り添う子猫たち)
- 43, 桑名(くわな)→くふな(まだ食うなよ…)
- 44, 四日市(よっかいち)→よったぶち(寄り添うブチ猫たち)
- 45, 石薬師(いしやくし)→いちやァつき(いちゃつく二匹の猫)
- 46, 庄野(しょうの)→かふの(野良猫に首紐つけて今日から飼うの)
- 47, 亀山(かめやま)→ばけあま(化けた尼さん)
- 48, 関(せき)→かき(カキは大好物)
- 49, 坂の下(さかのした)→あかのした(赤い舌出して毛づくろい)
- 50, 土山(つちやま)→ぶちじゃま(ブチが割り込んできて邪魔だ)
- 51, 水口(みなぐち)→ミなぶち(体中みなブチ模様)
- 52, 石部(いしべ)→ミじめ(やせこけてみじめな体)
- 53, 草津(くさつ)→こたつ(大好きなコタツの上)
- 54, 大津(おおつ)→じゃうず(ネズミを上手に放り上げる)
- 55, 京(きょう)→ぎゃう(ギャウ!ネズミは渡さないぞ!)